著/しいきさいこ
舞台は世田谷区・千歳烏山(ちとせからすやま)。
“山”という地名がついているのに、そこは山がないそうです。
そんな千歳烏山 から創作した現代民話の絵本です。
美術家/イラストレーターの椎木彩子さんの初めての絵本創作。
2020年に行った手紙を主に交流したワークショップをもとに、
2年の構想を経て、言葉が紡がれ、あたたかな絵に。
物語に出てくる、海は葉山と熱海、山は砧公園と奥多摩に通って
スケッチをされたそうです。
外出が叶わない人々による手紙の交流。
ページをめくると中は色彩豊かでのびのびとした絵で溢れています。
見返しがグレーなのも拘っているそう。
外も内も、他も自も、境目のない、そんな優しさがあるように思えます。
コロナ禍の生活から生まれたこの「今ばなし」。
100年後には「昔ばなし」として、語り継がれているかもしれません。