突然ですが、本と紙への感性を刺激するちょっと珍しい本のご紹介。
僕は、この辺りの感性は、これからもっともっと見直されると思っています。
今回は泉鏡花の一冊を。
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/eab3e72cb77a470e6aae34a672c8071f.jpg)
粧蝶集(しょうちょうしゅう)
1917年(大正6)年8月1日初版
泉鏡花 著
春陽堂 刊
小村雪岱 装幀
シルク装
天金 といって本のうえの面に金(ゴールド)を蒸着させています。
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/349127562_760175262504009_7771815875791106496_n.jpg)
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/350089718_977452233255616_6317386071338766673_n.jpg)
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/349472937_204867729145856_5937160313362865604_n.jpg)
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/350230755_6353479001408392_511200543877376525_n.jpg)
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/349345325_2819507581518259_4133241608124330867_n.jpg)
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/350085360_768037011477617_4619312352306231278_n.jpg)
1917年、日本画家である小村雪岱(こむらせったい)は資生堂意匠部に勤めてもいました。
これは小村雪岱に泉鏡花が装幀を依頼し出来上がった傑作のひとつです。
当時の最新の美と、流行と、エンターテインメント。
本が担っていた役割が、100年以上前のこの初版本から滔々と溢れ出てきているようです。
袖珍本(しょうちんぼん)という文庫本のようなサイズの本ですが、作りは豪華。
表紙はシルクでできており、小村雪岱の絵が刷られています。
本を広げてみると息を呑むような美しさ。
さらに見返し(本の一番最初の見開き)まで多色刷木版画が用意されており、これもまた小村雪岱の作。
見返しから扉にかけて配慮の行き届いた装飾が施され、これから鏡花の物語が始まるわくわく感が見事に演出されています。
天金の輝きは100年経っても衰えることはありません。
春陽堂からは鏡花の袖珍本はいくつも出ており、そのどれもが素晴らしい装本です。
![](https://kamoshikabooks.com/blog/wp-content/uploads/2023/06/349473525_217101814517145_1201458244557884235_n-2.jpg)
人生で一度は手にとってご覧いただきたい逸品です。
□used
□old
☑︎rare
#カモシカの初版本